tanka

平成17年かりうど夏号
黒
さまざまな色を重ねて生まれたるその一色を黒というなり
黒真珠首に重たし妻という役割り演じ今日を生きたり
喪服にも感情ありて今宵着るスカート何故か纏わりつけり
夏の風遠き草の香孕みつつ我が黒き髪止まず揺らせり
夫と歩む夜の歩道に薄薄と私の影は分離しはじむ
愛されて静かな日々かベランダにカラスアゲハの羽を拾えり
夏祭り人の群れたる水槽にゆるゆる泳ぐ出目金の黒
存在する全ての色を濾過させる黒き瞳をわれも持ちたり
微笑めるモノクロのフォト拾いたり全ての物を捨てさりしのち
紫外線カット仕様の黒帽子かぶりてわれも夏の人波
柔らかくこの身を包むランジェリー刺繍は黒き一輪の薔薇
黒き服を選びて映す大鏡似合うからこの黒を憎みぬ
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